【ボイストレーニングのヒント③】地声の筋肉を鍛える
こんにちは!新宿・千歳烏山のボイストレーニング教室Kayoko Voice Labのkayokoです。
さて、今回は「地声」のお話です。
地声って、話してる声のことでしょ?
ってお思いの方も多いと思いますが、
ほんと千差万別ですが、地声の筋肉100%で普段話している人はほぼいないのです。
(そもそも地声の筋肉のみ100%は生理的に不可能)
男性は比較的地声筋肉が優勢の話し声の方が多いですが、女性に関してはやや裏声に傾いた話し声の方が多いです。
裏声ちゃんを混ぜるといわゆるやわらかい印象の声になりやすいので、女性というイメージで、生活していく都合上といいますが、裏声に傾いて筋肉の働きが混合した状態なのはしょうがないことだと思います。
なので地声ってなんだろ?とか、地声だと思ってたんですけど、なんてびっくりされる方もいらっしゃいます。
そこで今回は地声についてお話したいと思います。
??こんな声だせますか??
映画『呪怨』に登場する俊雄くんの声、というと想像つく方もいらっしゃるでしょうか。
この声は「シュナル」と言います
床がきしむような、開かないドアを無理やり開けるような、といいますか。
この声、すんなりできる方もいれば、まったく出せない方もいらっしゃいます。
ぜひできてほしい発声になります。
この「シュナル」は地声の筋肉を刺激してくれます。
図をご覧ください。(喉頭を上から見た様子です。図の下方がのどぼとけがある方です)
声帯筋、つまり声が生成される器官のことですが、これは3つの組織で構成されています。
「声帯靭帯、内甲状披裂筋、外甲状披裂筋」(水色とオレンジの部分)
声帯靭帯はとりあえず置いておいて、この内甲状披裂筋や外甲状披裂筋が活躍すると、バリバリとはっきりしたいわゆる地声というものがでてきます。
今回の「シュナル」の、「コッコッコッ」「コトコトコト」「コケコケコケ」「カッカッカッ」みたいな音色は、「外甲状披裂筋」が働くと鳴ります。
地声筋(声帯筋)の働きが弱い方は、このシュナルができないことが多いです。
声帯を閉じてきちんと効率よく声に変換できてないため、声が通らないとか、声量がなかったりなどの症状がみられます。
(別にこれらは悪いことではありませんよ!!)
必ずレッスンではこの「シュナル」をやっていただきます。
簡単にできてしまった方は、音程を変えてみてください。
できなかった方はぜひ探してみてください。
この「シュナル」は地声の開発第一歩目といったところでしょうか。
声帯を閉じるという感覚を、こういった音色で開拓していきます。
YouTubeにもいろんな人があげていますので、声の開発のとっかかりとしてはやりやすい声かなと思います。
※参考文献
著者:武田梵声 『ボーカリストのためのフースラーメソード 驚異の声域拡大をもたらすアンザッツとは?』