ハミングの効能ご存知ですか?

みなさん、こんにちは!
新宿・千歳烏山のボイストレーニング教室Kayoko Voice LabのKayokoです。

みなさん、鼻歌ってうたいますか??
ご機嫌なときに「フンフフ~ン♪」みたいな。
英語で言うと”ハミング”ですね。
このハミングという行為は誰でも簡単にできてしまうので軽く捉えられがちですが、ボイトレにとっても良いのですよ~(*’▽’)
今回はハミングをやるとどんな良いことがあるかご紹介したいと思います。

 

 

 

1. 息の量が減る

まず第一に、息の量をおさえて発声することができます。呼気圧発声を改善できるということですね。
ハミングは口を閉じているので声の出口が半分以下になってしまいますよね。
Q.同じ音程でも、息をめちゃくちゃ吐いて発声するのと、少量の息で発声するのとどちらが効率が良いと思いますか?
音が上がっていくにつれて息に頼って「ブワーッブワーッ」って吹きまくる人は結構います。
Q.高音にいくにしたがって音量あがっていませんか?音程は当たっていても息漏れもすごくないですか??
これは声帯に息をめちゃくちゃ当てて振動回数をかせいでその音程を無理やりだしているのですね。
息が多すぎるとこのようになりやすいです。
あまりいい例えではないかもしれませんが、
・そよ風が入ってくる窓と暴風ふきあれる中窓を閉めるのと、どっちが力がいりますか?
・ただ普通に呼吸するのと50m全速力で走った後の呼吸の感じをモノマネするのと、どちらがしんどいですか?
という感じです(笑) おそらくどちらも後者がしんどいですよね。
なので息を吐きすぎるというのは身体や声帯への負担が大きくなり、発声にも影響がでてきます。
ということで、ハミングを使って強制的に通り道を減らし息を吐きすぎてしまうことを改善することができます。

 

2. 長く発声ができるようになる

1の続きになりますが、息が減って少量の空気でその音程を発声できるようになるということは、息が肺から少しずつ減っていくということですので、効率がよくなりロングトーンができるようになります。長いフレーズが歌えるようになるということですね。
Q.みなさんは1曲歌ったらバテますか?
たぶん皆さんが好きなアーティストさんは1曲ではバテていないですよね?笑
ゼーハーゼーハーめちゃくちゃ息吸いながら歌っている人もいないですよね?(息を吸う音をわざとさせる人はいると思いますが)
むしろいつ息吸ってるんだろうって感じるくらいだと思います。
これは息の量と声帯のバランスがとってもいいのでバカスカ息を吸わなくても長い時間歌い続けられるのですね。
ただ、ハミングだけやっていればロングトーンができるようになるわけではもちろんないです。
声を出すには息だけでなく声帯自体の能力も必要ですから、同時にいろんな練習をしてくださいね。

 

3. 声帯の伸展で音程を調整できるようになる(声帯をコントロールしやすい)

1でも書きましたが、息が減る・少なくなるということは、音程の調整を息による振動に頼るのではなく、声帯自体の伸び縮み(ゆるみ)で何とかしないといけないという状況になります。
きちんと声帯が引き伸びて薄くなってくれていれば、わざわざたくさんの息を当てなくてもその音程の振動回数になれるというわけですね。
想像するとしたら、分厚いタウンページとA4のコピー用紙一枚、どちらが揺らしやすいですか?みたいなことです。
薄くて軽いとよく揺れますね。
この声帯が伸びて薄くなるというのがとっても大事なことで、呼気圧発声の方はこれができていない可能性があります。
ということで、ハミングをおこない少量の息で音程を自在に出そうとすると、息の量に頼れないので声帯の伸び縮み(ゆるみ)の能力が復活します。

ハミングは、声帯にあたる‘風’が減り負担が軽くなるので、声帯のコントロールがしやすい環境なのですね。

 

4. 鼻を意識することにより喉頭が上がりやすくなる

これは読んで字のごとくでありまして、鼻から声をだす~となると口から出すときより意識が上にいきますから、喉頭が上がりやすくなる人が多いです。(多いというだけで全員というわけではありません!!)
なので、喉頭を上げるという感覚がわかりにくい人はハミングをやってみるのもひとつの手です。

 

5. 共鳴できるとこが狭いので高音の響きをつくりやすい

はじめに・・・みなさん「共鳴腔」はごぞんじでしょうか?

共鳴腔とは?
声帯より上にある空洞、広がりのことです。声道、口腔、鼻腔などがこれにあたります。この部分の広さがいろんな形になることによって声帯で作られた声の素がいろんな響きをまとってさまざまな音色に変化して声となってでてきます。

 

ハミングをしているときは口を閉じているので口腔は声に関係することができませんので、鼻腔と、鏡でギリギリ見える喉の一番奥と声帯の上までの空間が、声の響きに関わってきます。(いろいろ名前がありますが声道と呼んでしまいます)

前置きが長くなりましたが、簡単に言ってしまうと、ハミングをして喉頭が上がるという現象が起きると、この声道という共鳴腔が狭まって高い音の響きが作られやすい形になり、高い音色をつくるのに適した環境になります。
イメージするならば、バイオリンとコントラバスは楽器の空洞の大きさがちがいますよね?
大きな空間は低い音色になり、狭い空間の楽器は高い音色がでます。これが私たちの喉の中でも起こっているのです。
なので声の道が狭い方が響きは高くなります。

実際生徒さまにやっていただくと、何の気なしのハミングの方が、口から発声したときより出せる音が上へのびる傾向があります。

喉頭が上がるというのがよくわからない方は何か食べ物や飲み物を飲み込んでみてください。
喉ぼとけの辺りが上へ動きますよね。口に入ったものを食堂へ送り出すポンプみたいな運動です。声道へそのモノが入ってこないように喉頭が上へあがって蓋をする、みたいなイメージです。

ということで、共鳴腔が狭くなるのでハミングを意識すると高い音が出やすいです。
でもそればっかやっては弊害になってしまいますので、とっかかりとして、くらいにとどめておいてください。

 

6. 舌があばれない

ハミングをするときは基本的には口を閉じてやりますよね。
口を閉じているときは口の中が最小の狭さですから、舌を動かしにくいですよね。
下あごを落として大きく口を開けたときは舌を上に持ち上げたり丸めたり突き出したり色々しやすいですが、閉じているとやりにくいですよね。(もちろん口を閉じた状態でもやろうと思えばやれますが)
舌が邪魔をして発声にエラーがでることはたくさんあります。(どんなエラーかはまた別の機会に書こうと思います)
ハミングだとそもそも口の中が狭いので舌が暴れることが少なく、発声するのに余計な動きが少なくてすみます。

 

7. まとめ

てな具合に、ハミング」はいろいろとボイトレによい効果がある方法です。
ハミングなんて簡単すぎるんですけど~別に息めちゃくちゃ吐いてる気しないし~、と思われる方もいらっしゃると思いますが、
たいていの人に息を吐きすぎて高音を出すという症状はあると私は考えています。(他の能力が高いためエラーとして見えてこないだけで)
自分が息吐きすぎかそうでないかと考えるよりも、ボイトレにおいてはもっと効率よく発声できるはずだと貪欲に自分に期待しながら続けてほしいなと思っています
ハミングでの具体的な練習方法は次回お届けしたいと思います!!
少々お待ちくださいませ!!
とりあえず暇があればフンフン~好きな歌をうたっていてください(∩´∀`)∩

 

 

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