ミックスボイスが強くならない理由

みなさん、こんにちは!
ボイストレーナーのKayokoです☆

急に秋めいてきましたね。
乾燥が激しくなってきますので、喉の潤いには気を配ってくださいね!!
マスクをしているとはいえ乾燥はしますよ〜。

さて、今日は”ミックスボイス”について書きたいと思います。

ミックスボイスはできるようになったけど、
「いまいち強さがでない」
「納得する音色にならない」
とお悩みの方は多いと思います。

正しい手順を踏んで声を育てていかないと(よほどもともと発声の才に恵まれた人を除いて)、
なんだか歪んだ声になることは多いです。
とはいえミックスボイスとは、今までの自分にはなかった声帯の新たな使い方なのですから、
なんだか変な感じがするとか、音色が違うと感じるのは当たり前だったりします。

とはいえ、自分の理想には近づけたいですよね。
今日はちょ〜簡単にミックスボイスが強くならないという方向けに、その理由の可能性を書いてみたいと思います。
ちょ〜ちょ〜単純にまとめただけですので、鵜呑みにせず満遍なくいろんな声に取り組んでください。

 

 

ミックスボイスとは、裏声の基盤の上に地声がのった声を指します。
音程を司っているのが⇨裏声
声の音量やキャラクターを司っているのが⇨地声の機能です。

前者は声帯を引き伸ばす、後者は声帯を厚く縮める動きを指します。

バランスの取れたミックスボイスというのは、音程に見合う声帯の長さに引き伸ばしながら、最大限厚みを入れた状態のことです。
ミックスボイスなるものが難しいのは、引き伸ばされて薄くなる声帯を厚く使うという真逆の動きを成立させないといけないからです。
これの真逆のベクトルを頭の中で想像できるかは結構大事だと思います。

 

1.地声の力が弱い

ミックスボイスらしきものは出るけども、なんともおぼつかない、綱渡りのような感覚で、はっきりしない音色だなぁという段階の方の理由の可能性その1は、

「地声が弱い」ということです。

地声の働きは声帯をぎゅっと縮めて声にはっきりとした輪郭や馬力を与えてくれます。
なんかミックスボイスが裏声っぽいなと感じる方は、地声の練習を強化されると良いと思います。
アンザッツでいえば、1,2,3番ですね。あらゆる喉頭位置で地声の発動を強化してください。
繰り返しますが、ミックスボイスの難しさというのは、音程を保ちながら(つまり裏声の機能を維持しながら)地声をのせていくという逆方向の働きを仲良く成立させないといけないことにあります。
そのために、音程に見合う声帯の引っ張りに負けないくらいの地声の力が必要になります。

2.裏声の力が弱い

次に、ミックスボイスらしいものが出ていても、少し張り上げっぽかったり息に頼りすぎてしまったり、歌の中だと音程がフラットしてしまうという方、
こういう方は声帯の引き伸ばしが間に合っていない、つまり裏声が弱いということですね。
地声っぽい音色というのは、声帯の使用している接地面が大きくかつ接地時間が長い状態であり、ミックスボイスの高音とは、大きい荷物を持ちながら坂道を登っていくようものです。

荷物は少なく体が軽い方が上まで登って行きやすいのは想像しやすいですよね。
声もこれと同じで、高音は荷物(地声っぽさ)を手放すのが基本です。
ただ今回はミックスボイスの話をしていますので、
強さはあるが少しフラットしてしまうという方は、狙った音程に必要な振動を発生させる声帯の形にならなかったということです。
声帯が引き伸ばされず厚いままでは音程は当たりません。
こういう方は、裏声の練習をもっと徹底する必要があります。

音域は上も下も限界をどんどん広げていき、どの母音どの音幅でも淀みなくできるよう徹底的に行ってください。
アンザッツで言えば、4、5、6番ですね。

症状としては、強さはあるがフラットしてしまう状態より、強く歌いたいと思ったけど裏声へひっくり返ってしまったという方がまだマシです。
地声だか裏声だかわからない声を、呼気量や体のどこかの踏ん張りで出している方、音程を犠牲にしている方はすぐにやめた方が良いと思います。

 

3.懸垂機構の力が弱い

声は声帯で作られますが、声帯自体の動き以外に、声帯を取り囲んでいる喉頭という軟骨とそれに関わる筋肉たちも大いに発声に関わっています。
それに着目したメソッドがフースラーのアンザッツです。
発声をするのに確かに声帯自体の能力は爆発的に必要です。
ただ声帯は喉頭の中にあり、喉頭の動きにとても左右されます。
フースラーさんも武田梵声先生もおっしゃっていますが、
「声帯の能力を最大限発揮したければ、声帯のお家である喉頭を安定させることが大事」になります。
喉頭はこんな風に四方八方に伸びる筋肉たちによって吊り下げられています。


《出典:『「3つの音」だけで最高の声になるボイストレーニング ゴルジャメソード入門』武田梵声著》

モノを飲み込むとよくわかりますが、喉頭は上に上がったり下がったり動きます。
歌っている時も、音程や音色、言葉によって激しく動きます。
なぜこの喉頭に関わる筋肉を鍛えないといけないのかと言うと、

喉頭が動くと中の声帯もブレやすくなります。
地震が起きた時を想像してください。家が揺れると中にいる自分も揺れますよね。そんな感じです。

なので声帯の能力を最大限発揮させたければ、この喉頭がどの位置にいこうとも安定してブレないことが大事なのです。
また、喉頭をいろんな位置に動かすことによって声帯の活動に良い働きかけもしてくれます。
ミックスボイスをより強くしていくには、この喉頭の安定は不可欠です。
高音へ行くに従って薄くしていかなければいけないものを厚く使おうと自然の摂理に反しているようなことをしようとするのですから、低音より努力性が上がるのは当たり前です。

抱える荷物がどんどん重くなっていくのです。
荷物を待ち続けるためには手の握力だけでなく、肩やら腰やら脚やらいろんな筋肉の協力が必要ですよね。
喉頭を吊るしている四方八方の筋肉を鍛える必要があるのはそんな感覚に似ています。
そして、大きな荷物を抱え一歩を踏み出すためには、グッと踏み込める地面のちょうど良い硬さが必要で、地面が土台となり支えてくれなければいけません。
声も同じで、この支えが喉頭懸垂機構の発達になります。

4.声帯を閉じすぎている

強い声を出すには声門閉鎖だ!声門閉鎖だ!とよく聞きますよね。
はい、確かに声帯をしっかり閉じる力はとても大切です。
ただ、あらゆる筋肉のバランスを崩さない状態での必要十分な閉鎖が必要なのです。
ミックスボイスがいまいち納得した音量や音色にならないな、なんか金属的な感じがするという方は、
声帯を閉じすぎてしまっている可能性があります。
説明が難しいのですが、ギュッと閉じすぎてしまうと、音量や音色を決定し声帯を縮め厚くする声帯筋(内筋)が入っていく隙間がなくなってしまいます。
もうすでにしっかり閉じられている声帯をさらに内筋でギュッとするのはあまりに過剰な閉鎖であり、
その状態で高音を発声しようとすると息の量を増やしてこじ開けるしかなくなります。体圧も高まり負のスパイラルです。

日常生活でも内筋をバリバリ使えている人はそんなにたくさんはいないと思うので、
使ってきた頻度からしても声帯を寄せて閉じるという活動(披裂筋群)が内筋より率先して働きがちです。

対応として、アンザッツでは2、3a番のような男性性の強い野生的な音色を鍛えると良いと思います。
これを換声点付近まで音量を保ってしっかり引き上げられるようにしてください。

ただ、声帯を閉じすぎずに内筋だけを動かす練習というのはなかなかレベルの高い練習であり、人によっては逆効果だったりしますので、トレーナーの先生と進めてください。

 

5.まとめ:ボイトレは正しい手順で偏りなく

発声はとても複雑な筋肉運動です。あらゆる筋肉が関わっています。また精神面も大きく関わっているでしょう。

どこかの筋肉が動かなすぎても、動きすぎてもダメなんです。

上であげた4つの可能性も発声に関わる要素のほんのカケラです。

地声が足りないんだ!裏声が足りないんだ!と決めつけず、声を偏らせることなく練習してください。
それが心地よいミックスボイスの最善で最短の道です。

自分が今どんな段階にいるのか、きちんと判断できる人は良いですが、
なりたい声、好きな声、得意な音域だけ練習していると必ず偏りますので、
ボイストレーナーにきちんと習われることをオススメします!!

 

 

体験レッスン実施中!!

フースラーメソッドを基盤とした、科学的根拠のあるボイストレーニングを行なっております。声を良くしたい方、歌声に悩みのある方、ボイトレ迷子の方、どなた様もお気軽にお越しください!!(※体験レッスン料は、「レッスンについて」をご覧ください。)