歌を上達させるコツ(発声以外の要素)

こんにちは!!
ボイストレーナーのKayokoです(*´∀`)♪

今日は「歌を上達させるコツ」として、発声練習と歌唱練習以外に必要な上達のヒントをお伝えしたいと思います。

 

1.たくさん聴いて脳内再生できるようにする

寝ようと思ったら、頭の中に曲が流れていてなかなか寝付けない、といった経験ありませんか?
どこかの店で流れていたBGM、さっき見たテレビCM、家族の鼻歌など・・・。
実際に音楽が流れているわけでもないのに、脳内で再生されている感じがするということがありますよね。
こういった脳内イメージを「メンタルコンセプト」「メンタルピクチャー」と言います。

歌に限らず、何かを上達させるためにはイメージすることがとても大切です。
これは科学的に証明されています。
筋トレの話になりますが、「自分がトレーニングしている姿をイメージする」ことで筋力が10%アップするそうです。
イメージをすることで神経活動が活発になり、実際に筋肉を動かす際に良い影響が出るそうです。

発声も同じだと私は考えています。
ただ、筋トレとは違って発声に主に関わる筋肉たちは本当に小さいので、もっともっと強くイメージし神経活動を活性化することが必要ではないかと思っています。
例えば、あなたの好きな歌手の歌声を脳内再生してください、と言われたらできますか?
頭に浮かんでこないサウンドは自分では発声できません。
なので、とにかく繰り返し繰り返し集中して聴いて、脳裏に焼きつける時間を作ってください。
もちろん声を出さなければ発声は上達しませんが、上手になっていく方々は、等しくみなさん聴き込んでいらっしゃいます。
やってみてください!!

2.人前でパフォーマンスしよう

ライブに出る、カラオケ大会・発表会に出る、友達とカラオケに行く、などなど、
他人に見られながらパフォーマンスをするというのをぜひやっていただきたいです。
なぜなら「声」は「気持ち」と密接につながっているからです。
緊張するとうまく声が出ない、泣くと歌えない、落ち込んでいるときは声が小さくなる、なんてことよくありますよね。
これは発声に関わる首回りにはむちゃくちゃいろんな神経が走っており、情動と密接に関わっているからです。
そんな繊細な器官であるからこそ、感情が揺れている状態でもできた!という状態になれば、神経支配が行き届いている証で、「体が覚えた」という状態です。
一人で黙々と行うことが多いボイトレですが、どれだけ自分の喉は活性化されているかの指標になりますので、
ぜひ「気持ちの変化」をとり入れながらやってみてください。

3.いろんな規模の部屋で練習する

これは聴覚フィードバックのお話です。
聴覚フィードバックとは、自分の耳にどう聞こえるかということです。
ライブに出た際、声の返しが聞こえず何を歌っているのかわからなく不安になって上手く歌えなかったという話を聞きます。
声を出している意識なのに聞こえてこないのだからそりゃ脳が混乱して上手く発声できなくなりますよね。
でもこのような、パフォーマンスをする際に起こりうるアクシデントは想定しておかなければいけません。
「聴覚フィードバック」つまり「聴こえ」が変わると歌えない現象、これは日頃から鍛えられます。
それは、いろんな広さの場所で練習することです。
例えば壁に近づいて歌唱すると自分の声がよく聞こえますよね。これは声の音波が反射して増幅されるからです。
一方、だだっ広いところ、周りに何の障壁もないような広場で声を出すと、音波が散って思うほど自分には聞こえなかったりします。
体育館のような場所では、うわんうわんとエコーやリバーブがかかったような音に聞こえたりもしますよね。お風呂で歌うと上手く聴こえたりなんてのも。
どんな場所で歌うかで、聴覚フィードバックは変わります。
大切なのは、「聴こえ」が変わったとしても変わらぬパフォーマンスができることですから、日頃からいろんな環境下で耳を慣らしておく必要があります。

4.体感を鍛える

上の話につながりますが、「聴覚フィードバック」は環境で変わると認識した上で、
もう一つ大切なことは、自分の「体感を把握する」ということです。
このくらいの体感の時はこういう声が出ている、この音程・声質の時の感覚はこうだ、という指標を自分の中に持つということです。
うる覚えで真実かは定かではありませんが、“美空ひばりさんは自分の声が聴こえないアクシデントに見舞われても完璧に歌った”と聞いたことがあります。
これは自分の歌声に対する「体の感覚」が確立されていたからでしょう。
もちろんレジェンド歌手だからできたことかもしれませんが、日頃から体の感覚を研ぎ澄ましながら一音一音練習してください。
イメージとか経験則みたいなのに頼るのよくないんじゃないの!?と思われるかもしれないですが、
これはあくまでも自分の声に対する自分の感覚です。他の人の感覚を参考にするのではありません。
体のこの辺りがこんな感じがする、というような自分だけの感覚は指標として持っていていいと思います。
もちろん、体の感覚というのはトレーニングをしていると日々変わっていきますし、バランスの整っていない発声をよしとしてその体感を基準にし続けることは危険です。
でも発声は、体の筋肉や器官を使っているのだから必ずどこかが何かを感じます。自分の調子や進化を知るためにも役立ったりしますので、感じようとすることは努めて良いと思います。
こういう感覚というものも研ぎ澄まされていくと美空ひばりさんくらい自分の声は聞こえていなくても周りの演奏に合わせて歌てたりするのかななんて、思ったりします。
書いている私も十分にできているとは言えませんが、一緒に精進していきましょう★

5.マイクを使ったり使わなかったり

みなさんはマイクを使って練習されていますか?
3と同じような目的になりますが、マイクは偉大で、マイクひとつで音量や声質がとても変わります。
マイクを使う利点としては、●音量を操作できるので声を張りすぎずに練習できる、
●大きい声や出したい声質が出ている気がして気持ちが良くなって(一時的に)歌唱力が上がる、
など聴覚フィードバックに影響が出るので心理的に良くなって良い発声へとつながったりします。
一方、マイクを使ってばかりいると、実際の生声は案外成長していないなんてこともありえますし、心元なくなってマイクなしで歌えなくなってしまったりします。
また、マイクにはそれぞれ特徴・強みがあり、高音域をよく拾う/中音域が強く出る/低音もしっかり拾ってくれるなどなど、
マイクによって声質が変化し、シャリシャリ、モワモワ聞こえたりして、あれ?自分ってこんな声だっけ?と喜びや驚嘆などに出くわします。
なので、マイクの使用も「聴こえ」に惑わされない「体感」を強固なものにするのに役立ったりもするので、
いろんなマイクを使ってみる、カラオケの安価なマイクも使ってみる、など自分の耳と体感を鍛えてください。

余談ですが、私が昔お世話になっていたアレンジャーさんは、出来上がった音源を古いCDラジカセで必ず再生して確認されていました。
現代の何もかも明瞭に再生してくれるプレーヤーではなく、色々消えてしまうものがあったとしても、自分の音楽として納得のいくものであるかというのを確認されていました。
環境に左右されない良質なものを追求されていました。

私たちも、いろんな環境下を演出して練習し、レベルアップしていきましょう!!

 

 

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