みんな違ってみんな良い
みなさん、こんにちは!
新宿・千歳烏山のボイストレーニング教室Kayoko Voice LabのKayokoです。
昨今のボイトレ動画や、私が今まで出会った方々の印象を合わせますと、
やはり「ハッキリとしていて強くハリのある声が良い」と結構皆さん思っているんだなぁと感じます。
力強さや高い音が出ることが歌がうまいとイコールになっているなぁと感じるのです。
もちろん強さや高音を出すには条件がそろわないとできないので、それで喉の能力が高いという判断になっても間違いではないですし、
「ハリのある高音」や「ハキハキした声」という目標はとっても素晴らしいことで、そういうトレーニングもたくさんします。
ただ、そういう声だけが(自分の求めているものだから)○と決め込んでしまうのは、ちょっと待って!!と思うのです(´⊙ω⊙`)
例えば、私も最近知りました人気のアーティスト“Uru”さんの歌唱を聞いてみてください。
◾️Uru – 「あなたがいることで」
メロの部分はかなりエアリーなウィスパーボイスを多用しており、ハリがある強い印象の声ではないですよね。(サビはまた違うので話から外します)
ドラマの主題歌になったということもあるのかもしれませんが、この方とっても売れていますね。
他にも同じようにウイスパーボイスで聴衆をかっさらっていった方が過去にもいます。
◾️森田童子 – 「僕たちの失敗」
この曲もドラマが爆発的にヒットしたこともありますが、彼女の歌声も一役買っていたのではないかなと思います。
この二人のアーティストに共通することは、「ささやくように歌っている」ということです。
日本以外で最近のアーティストですと、ノラ・ジョーンズがわかりやすいのではないでしょうか。
◾️Norah Jones – 「Don’t Know Why」
彼女もウイスパーボイスを多用する歌手ですね。
これらアーティストの歌声が示していることは、
私たちは必ずしも「ハッキリとしたハリのある強い声にばかり惹かれるわけではない」ということです。
「ホヤホヤ、フワフワとした柔らかい印象の声もとっても魅力的だ」ということです。
そりゃバラードだからだろう、曲調によって声質が合う合わないはあるだろう、と思いますか?
そう!そうなんです!
曲によって声は変わっていいんです!
というか、ボイトレしている皆さん、もしくは興味ある皆さん、
この曲さえ歌えればもう他には何もいらない!という気持ちで取り組んでいますか?
いやいや、きっと他にもいろんな歌が唄えたらいいなぁと思っていますよね??
ということはやはり、いろんな声が出せた方がいいのです。
ミスチルさんの歌詞にあるように、
「白と黒のその間に無限の色が広がってる」わけです。
「声」とはそういうものです。
どんな声も、みんな違ってみんな良いのです。
自分の中の美的センス、好き嫌いは誰しもあります。あるのが当然です。あっていいんです。
ただ、その自分の中の価値観だけにとらわれすぎてしまうと、狭い視野でしか声を考えることができず、
まだ眠っている自分も知らない可能性をそのままにしてしまうかもしれないのです。
秘めた可能性は無限にあるんだということをみなさんに感じてほしくて私はボイストレーナーをしています。
目標や理想とする声はあって全然いいです!
ただそれだけに固執するのではなく、もっといろんな声を開発できるんじゃないかと喉頭と戯れてほしいです。
自分の中の声の可能性、引き出しが増えていくことは、きっとみなさん自身のやりたいことにも良い影響を与えてくれると思います。