ボイストレーニングとは失ったものを取り戻す作業
みなさん、こんにちは!
新宿・千歳烏山のボイストレーニング教室Kayoko Voice LabのKayokoです。
突然ですが、
赤ちゃんの声って、すごいと思いませんか?
赤ちゃんと同じ声を出し続けて赤ちゃんに勝てる自信がありますか??٩( ‘ω’ )و笑
あのちっさな身体ですんごい爆発的音量や超高音を出しますよね。
仮声帯もガンガン動いてすごいノイズ発声もしますよね。
それなのに、声は枯れないですよね?むせたりもしないですよね?
何も知らない生まれたての赤ちゃんが、
なぜあんなにもコスパのいい声が出せるのか?(*・ω・)ノ
「赤ちゃんの声と自分の声って、どう違うのでしょうか?」
「 言葉を話す 」
これが決定的な違いです。
例えば、日本語話者は、「アイウエオ」の5母音で話します。
赤ちゃんははっきりと「アイウエオ」を発音することはできません。
「アー」だか「エー」だかよくわからない微妙なところを発していますよね。
ところが成長していく過程で、日本語には英語で言うところの/ æ /みたいな発音はなく、
「ア」と「エ」ははっきり区別されその間はないのだと知り、
微妙な母音を発音することはなくなり、その能力は失われます。
日本語を話して生き延びていくためには、「ア」と「エ」の間の母音は必要ありませんからね。
また、言葉が話せるようになったら、意思の疎通が簡単にできるので、
わざわざ大きい声を出して周りに気づかせる必要もなくなり、
音量を出すことや、鋭い高音域のよく通る声を出す能力も失っていきます。
こうして大きくなり社会生活に順応していく私たちは、
「ア」と「エ」の間にある無限の母音のバリエーションや、爆発的な音量も、高音も出さなくなり、狭い狭い範囲の発声をするだけの喉へと萎縮していくのです。
太古の昔、言語を獲得する以前の人類は、誰もが豊かに歌っていたと言われています。
タイムスリップをしてそれがどんな歌声だったかを聞くことは不可能ですが、
私は赤ちゃんの声を聞くときっとそうだったんだろうなと思うのです。
言葉が発明されたせいで、音や歌声がコミュニケーション手段ではなくなり、
豊かな音色、豊かな音域は必要なくなり喉頭の能力は衰えてしまいました。
それでも現代に生きる私たちには、「 歌う衝動 」が残っています。
不思議ですよね。言葉があるのだから歌う必要はあるのか。
なぜあなたは歌うのですか?
歌わなくても生きていけるのになぜ歌うのですか?
答えがないからこそ、「歌う」ということが、人類の、生命の本能であり血に脈々と流れているのだと私は感じます。
なんだか話が壮大になってしまいましたが、
その「歌う衝動」をもっともっと自分の思う通りへ実現していくためには、
やはりこの「失われた喉の能力」を取り戻すことが肝心だと思います。
自分さえも想像できない声を、一緒に発見しにいきましょう!!