声の分離できていますか？
こんにちは！
新宿・千歳烏山のボイストレーニング教室Kayoko Voice LabのKayokoです。
最近は、ボイストレーニングの手順として、
まずは地声と裏声を「分離」することが大事というのは、結構広まってきているのではないでしょうか。
これができないと始まらないと言っても過言ではないのですが、
実はこの分離する作業がとっても難しいのです(*_*)
みなさんは自分の声、地声と裏声をバッチリ分離できていると思いますか？
今回は簡単にチェックする方法をお伝えしようと思います。
1. 純粋な裏声（ワイルドエアー）
もうよく知られている発声かと思いますが、
「息漏れの多い裏声」というものです。
この声で狙いたいのは、声帯を開大させる筋肉（後輪状披裂筋）がよく動けるかということで、この筋肉は裏声を出すときに働く輪状甲状筋（前筋）をサポートしてくれると言われています。
また、声帯を開くということを逆に言えば、声帯を閉じる筋肉（披裂筋群）をあまり動かさないでいられるかということでもあり、
地声系の筋肉の発動を抑え、裏声寄りの発声ができるかのチェックになります。
（聞こえにくかったら音量上げて聞いてください）
ほぼ息で、かすかに音程が聞こえる状態で、内緒話をするようなイメージですね。
どのくらいスカスカするかのバリエーションも無限にあると思いますので、
どういうが一番正しいワイルドエアーかというのにすごくこだわる必要はなく、いろんなスカし具合で出せればよりいいかなと思います。
うまくいっていない例もあげておきます。
これは息漏れしていないですね。地声とも裏声とも判別がつかないようなただ音量が小さいだけの微妙な声ですよね。それと声に変な揺れがあります。
カラカラ、プチプチというような少しノイジーになっていますね。
少しシュナル（エッジボイス、ボーカルフライ）っぽく、外筋（外側甲状披裂筋）が動いてしまっていますね。外筋も地声系の筋肉ですので、この子がどうしても動いてしまう状況もきちんと分離できているとは言い難いです。
息を吐かなすぎるとこうなったりもします。
他には、音程を動くと途中から息漏れがなくなってしまうのも、よく分離できているとは言えないかなと思います。
さらに難しくするとすれば、強くハッキリ発声した後にすぐできるか、強いハッキリした声と純粋な裏声を交互に出すのも良い練習になります。
うまくできないという方は、息を吸ってみてください。
（聞こえにくかったら音量上げて聞いてください）
息を吸うと開大筋がよく動きますので、それを利用するのもヒントになります。
(前半３回ただ吸っただけ、４回目以降吸気「ウ」母音)
なんとなくわかってきたら、吸気の音色を参考にして普通の吐く発声で出してみてください。
まずは自分のやりやすい音程で良いです。
息を多めに吐いて大丈夫です。うまくできるようになると息の量は落としてもできるようになります。
音域はB3〜B4、「ウ」母音で、「ふぅ〜」みたいな感じでやってみてください。
「ウ」母音は余裕になったら他の母音でもトライしてみてください。
ワイルドエアーに関しては、武田梵声先生の著書に詳しいことが書かれていますので、そちらをご参考ください。
2. 強調対比
チェック項目２つ目は、「強調対比」です。
簡単に言うと、地声と裏声を交互に素早く行き来する発声です。
日本民謡をはじめ、世界中のあらゆる伝統歌唱に見られます。
とりあえずアホな気分になることが大事ですね( ´△｀)
これでも私的にはまだまだバキっと分離できてはいないなぁと感じます。
もっとズッコケたい感じですね。
喉の能力を高めていくためには、連続して素早くやりつづけることができるか、というのが大事ですので、
強調対比１往復できたから分離ができているではなく、同じことがずーっとやれるか、他の発声をしてから突然移ってもすぐにできるか、ということが肝心です。
喉遊びだと思ってぜひいろんな音程、いろんな声でやってみてください。
※ 番 外 編 ※
すごく簡素化して親しみやすいところで言えば、「天城越え」のサビの最後のフレーズも地声から裏声へハッキリと変化を感じられますね。
（絶賛花粉中で大した歌唱じゃなくすみません。）
今回は、地声・裏声の分離ができているかの判断材料の一例をご紹介いたしました。
ただ、他にも地声裏声の分離を進めるためにやることはたくさんありますし、
それっぽくできているだけで実はきちんと分離ができているわけではないとい状況もありますので、先生に聞いて判断してもらうと良いかと思います。
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