ボイトレは神経衰弱みたいなもの

 

みなさんトランプゲームの「神経衰弱」はやったことがありますよね?

ボイトレってそれに似てるなって思うのです。

先日生徒さんと話をしていて、

「神経を行き渡らせることが大切だよー」とお伝えしたら、

なるほどー!と感心されていたので、ちょっとブログにしてみようかなと思いました。

 

トランプの「神経衰弱」は、同じカードをペアにするゲームです。
バラバラに散らばって伏せられたカードを1枚引いて、もう1枚引いて同じだったらゲット。
獲得した枚数の多い人が勝ちです。
引いたものが合っていなかったらまた裏返して次の人に番が回ります。
表になったカードの場所を記憶しておき、ペアを引き当てるゲームです。

 

さてこの神経衰弱とボイトレの何が似ているかというと、
私たちは発声をする際に、頭の中に、「音程、音色、強弱、言葉、ニュアンス…」などを必ずイメージしています。
どんなに何も考えていないと自分では思っていても考えています。
そのイメージと寸分違わぬものを狙って口から音を出す作業がボイトレです。

●頭の中に記憶されたトランプの数字と位置、それを的確にパッと引き当てる
●頭の中に描いた音を瞬時に出す

似ていませんか?

 

1.なぜ歌えないの?ボイトレに大切なこと

神経衰弱でも、「確か、この辺りにそのカードがあったような〜どっかで見たな〜」と思いつつこれだ!と決めて引いたら違ったということ多いですよね。

発声もそれと一緒で、イメージ通りになかなか出せません。
音程が外れる、思ったより音量が大きく出てしまった、自分の意思に反してしまった経験ありませんか?

なぜ思い通りにいかないのかというと、描いたものの再生する能力が低いからです。
言い換えると脳からの指令が上手く発声に関わる筋肉へ伝わっていないのです。
どこの筋肉をどのように使えばそれが出せるのか、脳の指令が通っていく神経がきちんと開発されていない状態なのです。

「ダイヤのAがでた!もう一つはこここだ!」と瞬間的に反応するのがボイトレです。
となりのカードを引いてはいけないのです。

 

ボイトレで大切なのは、①頭の中にクリアに出したい音を描くこと。
「メンタルコンセプト」「メンタルピクチャー」と言われています。

そして、②その描いた音を再生するための脳からの指令の通り道、「神経」をしっかり開発することが大切です。

スパッと狙った音が出せないのはこれらが不十分ということです。

 

思いや考え/イメージ(マインド)と、動きつまり筋肉(マッスル)を繋げないといけないのです。

「マインドマッスルコネクション」と呼ばれています。

動かしたい筋肉を意識しながらトレーニングするというのが大切ということです。

ただ、発声に関わる筋肉は小さく、感知できるものではありません。
意識したとて、本当にその筋肉が動いているのかは開けてみないとわかりません。
なのでボイトレでは発せられた音がイメージ通りなのかというのを大切にしなければいけません。
闇雲に出していても成果は思ったように出ません。

 

2.あなたの喉は眠れる獅子

ボイストレーニングって、なんだか簡単に思われがちだなって日々感じるんです。
声は普段から出している身近にあるものですからね。
言葉が伝わればいいだけの道具だと捉えると確かに声なんてなんでもいいですし。
そんな感じで結構生活の中でないがしろにされがちな「声」なので、
もっとすごいパワーを秘めているのに、発揮することなくほとんど眠っている。
だから急に大声を出したり長い時間話したり、お酒を飲んだ後にカラオケしたりするとすぐ故障してしまう。
眠れる獅子を無理やり起こそうとしています。
そう!みなさんの喉は眠れる獅子なのです!
無理やりやらなければすんごい獅子になります!

 

3.試行錯誤と反復練習あるのみ:可能性は∞

ボイストレーニングはとっても長旅です。
声を出す、歌うという行為はとても複雑で複合的な筋肉の動きを伴っています。
これらは全て脳からの指令で動いています。
ボイストレーニングは発声に関わる筋肉たちを動かす作業で、しかも普段はあまり積極的に働かせていない筋肉を動かす訓練です。

新しい運動には新しい筋肉の組み合わせと出力が必要になってきます。
やったことがない、いつもと違う動きなのだから、脳から適切な指令が出て適切な神経回路を遠って適切な筋肉を動かすことができるようになるまでにはとても時間がかかります。

何度も何度も失敗し、道を間違えながら試行錯誤することでしか、脳からの指令をスムーズにする方法はありません。

「神経衰弱」のゲームでも、表になったカードの内容と場所を記憶し、もう一方の同じカードを誰かが間違って引いたのを覚えておき、ペアにしていきます。
カードは全部で52枚。新しいカードが表になるたびに記憶はどんどん積み重なっていき、
最初の頃に入れた記憶など曖昧になっていきます。

先にめくったカードが脳からの指令、もう一つのペアのカードが発せられた声だとします。
これを一致させるのがボイストレーニングです。

思い描いていたものの再生速度、再生精度をよりより上げていくことがトレーニングです。

成功体験を少しずつ積み重ねていくしかないです。

 

思い描いて → 出す

思い描いて → 出す

 

この繰り返しです。

ただ、筋肉をきちんと動かせているかなどわからないように、
多くの方が、出てきた声が合っているのかよくわからないという状況になると思います。

なので耳の良いトレーナーについてください。

まずは単音から少しずつその神経回路を開発していくのです。
新しい道を作っていくのです。ボイストレーニングとはそんな作業です。

というかどんなことでも新しいことをするということはそういうものではないでしょうか。

みなさんが毎日している仕事や作業も、何回も何回も同じことを繰り返したから今は何気なく行えているだけです。
最初はすごく意識しながら、間違えながらやっていた時期があるはずです。

自分の中に新しい道を一緒に開発しましょう!!

ボイトレは最強のトレーニングです!!(←勝手に思っています)

 

4.オススメの本

『 やり抜く力 GRIT(グリット) 

私の好きな本です。
やり抜く力、継続する力、努力をし続けられることが才能、好きなことを見つけることが才能。


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