私がボイストレーニングを続ける理由

 

こんにちは!

今日は身の上話です。

長くなりますが、お暇な方はお付き合いいただけましたら嬉しいです。

前置きがすんごい長いので、私がボイストレーニングを続けてきている理由だけ知りたい方は
こちらへ飛んでください。

 

私がボイストレーニングなるものに通い始めたのは22歳くらいの時だったと思います。
高校生くらいの時から何となく”歌手になりたいな〜”という気持ちを持ちながら、少し作詞作曲を始めてみたり、大学でバンド活動をしてみたりしつつ、それでもよっしゃ決めた!という覚悟は持てず、なんとなく学生という時代を終えるわけです。

 

遅くない?

はい、音楽の道を志すものの始動としてはかなーり遅いですね。致命的。
20過ぎてから始めるとか、10代から学んでいる人とは、まーそりゃすごい差がついているでしょうね。
例え私にどんなべらぼうな才能があったとしても。

 

私は本当に腰が重い人間です。

何かを始めるに当たって、どうしようかなーどうしようかなーと悩むアイドリング時間が長すぎる。
いや、エンジンすらかけられない。
行きたい場所があるのにそもそも車がないな〜どうしよう〜とグズグズしているタイプです。
思いついたら走り出せるホリ◯モンみたいなタイプの人は、きっとヒッチハイクをしてでも誰かの車を盗んででも目的地へ行こうとすると思います。

やらない理由を探す成功しないヤツの思考パターン、はい、私がそれでした。

 

まぁそんな私がなぜボイトレ、というか歌を習いに行ってみようかなーと思ったかというと、
大学卒業して就いた仕事が肌に合わず、おらこんな毎日嫌だぁ〜と、簡単に言えば逃げとも取れる焦りを感じ、気になっていたことをやってみるか、となったわけです。
社会人になって少しお金に余裕ができたというのもあるかもしれませんね。
高校時代の憧れを社会人になって実行するんだから、お前の腰は何トンあんだって話です。

 

初めに通ったのは今でもいろんな都市にある、音楽スクールの大手のひとつでした。

動機は多くの人と同じ、ただ単純に、”歌が上手くなりたい”、”歌手になりたい”、”オーディションを受けてみたい”みたいなことで、
今で言う「ボイストレーニング」で検索したらトップに出てきたものをポチるみたいな感じで決めました。

そのスクールは私の今日までのボイトレ歴の中で一番長く、5,6年しがみついていたと思います。
この時期の私は、発声練習なるものは裏声か変なミックスボイスでやり、歌唱になると地声系が強く出た声になる、みたいな何がしたいん??という状態でレッスンを受けてましたね。
多分発声練習で声を消耗したくないな〜とか考えていたような気がします。まじ意味ないですね〜。ゲロ。

先生はクラシック畑出身の方で、お人柄もとても優しい人でしたので、注意されることもなく、
はい、全く私の声は育ちませんでした。(先生もきっとこの子どうしようって思ってたと思います、その節はすみません。。。)

 

ここから私のボイトレ人生は迷走を始めるわけです。東京の路線図みたいにこんがらがっていきます。

音楽活動は続けており、路上ライブをはじめいろんな場所で自分の曲を披露していました。
ライブをすればするほど、なんでこんなに歌いたい想いはあるのに声出ないし歌いにくいんだ?という壁にぶち当たりまくっており、いろんな先生を訪ねました。

やたらテンション高く、ベルヌーイの法則を謳って息を吐かせまくる先生。
音が外に漏れたらいけないので自分の部屋のドアを締め切って顔を真っ赤にしながらフーフー息を吐く練習しまくって、
おかげで代謝が上がりました。感謝。

それとか、上手なシンガー友の勧めで行った、寝そべって歌唱。
“お腹に手を当ててそこから出すよ〜”みたいな、おいおいこのあと若かりし浅野ゆう子さんのレッスンみたいにバスケットボール出てくるんじゃないか!?、と1回しか受けませんでしたので、どういう展開になったかは知りませんが、寝っ転がったら腹式呼吸がしやすくなって声も出るよ〜系ですね。
隣で寝そべる友人はくっそ歌が上手い人だったので、ちょろいぜって感じでしたが、
そんなんでいい声が出ることを私の体は許してくれるはずもなく、ただ愕然と泥沼へ転落していくだけの時間だった記憶です。
ま、今となってはそんな時代もあったねと笑って感謝。

 

その後もいろいろ一見さんでレッスンを受けたと思いますが、忘れました。

そしていろいろあってその後わたし上京します!

東京でもいろんなボイトレに行きましたよ〜。今習っている2人の先生を除いて5人は受けましたね。
花の都、東京へ来ても私の迷走は続くのです。
でも今回の趣旨とはちょっとズレるので、迷走ボイトレの話はまた別の機会に書きます。

 

はっきり言って私はなーんの取り柄もありません。

何のおもしろ味も、人に誇れるようなものがひとっつもありません。

習い事という習い事は続かず、中学校の部活も想像していたより受け身が痛かったという理由で柔道部をやめるようなやつです。(なぜ柔道部に入ったのか?父親がやっていたというだけでした。)

高校の時は夏の避暑地でやるレクリエーションのようなバドミントン部に入っていました。
体育館の半面の半面を卓球部と分け合うような肩身の狭い部で、シャトルとピンポン球が行き交っていました。
そんな感じなので大会で勝つようなことはあるはずもない3年間を過ごしました。

さらに遡れば、イヤイヤやっていたピアノのお稽古は、先生の家のトイレの鍵を内側からかけてしまい、ドアが開かなくなって先生のご主人緊急出動みたいな状況を作ってしまう小学生でした。

比較的出来た、習字もある段から上がらなくなり、水泳も選手コースへ行くか?と誘われるくらいは泳げたのに、なんか辛そう、テレビが見れなくなる・・・という理由で断り、

まぁとにかくある程度のところまでは行くけども、それ以上努力してもっと上手になろうという向上心のない、しょうもないヤツでした。トホホ。

 

今までの人生を振り返って、”あーこれ頑張ったな〜”とか、”この時期充実してたな〜”とか、”すっごい笑った〜”、”すっごい泣いた〜”とか人に話せるようなことがないんです。

そんな私でも、細々でも何となーく続けることができた唯一のことがボイストレーニングだったのです。

もちろん歌が上手くなりたいという願望があったのでモチベーションが保たれていたのかもしれませんが、
出会う先生出会う先生よくわからなくなって自ら辞めてきているわけです。
それなのにまた違う先生を探しに出かける。自分でも謎でした。
執念を通り越して、前世からの怨念ではないか?みたいな感じです。
自分には合わないんだなーって諦めるタイミングはめちゃくちゃありました。
それに人に習わなくたって歌はうたえますしね。習わなければいけないものでもないんです。

それでも心折れず、”なんか納得いかないなーなんで?なんで?”という衝動にかられて、
自ら追いかけ回すよう追求していくわけです。

 

いろんな線路を走っては乗り換え走っては乗り換えを続けた私のボイトレの旅もやっと”おっっ!”というものに出会います。

歌の上手な知人の紹介で知った、フースラーメソッド。
初めて声が変わったと実感することができたのです。
それからは、今度はオタク街道まっしぐらになり、今や人様にお伝えするような図々しさを持ち合わせるようになったのです。
高校時代の自分が今のわたしを見たらなんとびっくりすることか。
ずーっとポケポケ〜っと鼻ほじりながら生きてきた自分が、紆余曲折あったボイストレーニングの経験と知識で人様からお金をいただいているわけです。

まぁ人生どうなるかわかりませんね。

 


今現在も、歌が上手くなりたい、というモチベーションの元にボイストレーニングを続けているのは確かです。

でもそれだけでこんなに続くわけないんですよね、この怠け者の私が。

それに周りを見たら自分より上手い人なんて腐るほどいて、東京来たら本当に心が腐って腐ってしょうがないくらいすごい人がゴロゴロいるのが現実です。

それでも今でも続いているのは、「実際に声が変わって歌がうたいやすくなった」という事実以上に、

何の取り柄もなく、何者でもない自分、人より頑張るなんて到底できない自分、
そんな私でも、ボイストレーニングは自分の中に小さな変化と成長を感じる喜びを教えてくれたからだと思っています。
これがとってもとっても嬉しかったのです。
こういう感情は普通は10代20代で誰しも経験するものなのかもしれませんが、怠け者の私はやっと出会ったわけです。
おそらく草一本生えない不毛の土地に小さな芽が出たような、遠回りした分喜びもひとしおだったのでしょう。
こんなことして何になる?と疑いたくなるような時期もあったし、それでもコツコツコツコツやっていたらいつの間にか積み重なって少し高いところから違う景色を見ることができたんです。

自分に打ち克ちたい。昨日の自分より1ミリでも成長したいという想いが今の私を支えています。

成長することの楽しさをボイストレーニングは教えてくれました。

もちろん自分の力だけで何とかなったわけではありません。
教えてくださった先生の力も大いにあり、心から感謝しています。
ただ、教える立場になってこそ分かるのですが、レッスンを受けている時間など、1ヶ月のうち数時間なのが大抵です。 2,3時間/720時間(30日間)です。
つまり一人でいる時間の方が圧倒的に長く、その一人の時間で何をするかでほとんどが決まるといっても過言ではないと思っています。
確かに先生のアドバイスによって正しい方へ導かれているのは確かだけれども、私たちえる者は方向を示すだけで実際にその道を走るのは皆さんです。
だから今何かを習っている人、勉強している人は自信を持ってほしい。
自分の力で変化・成長を手に入れているんだと。

 

私にとっては自分を成長させるための手段がボイストレーニングだったというだけで、
ボイストレーニングじゃなくて全然いいと思うんです。

自分が好きで苦行にならずに努力し続けられるものが誰にでも必ずあると私は思っています。
私たちは自分で自分の中に変化や進化を起こす能力があります。
というか自分を変えられるの自分だけです。他人や環境はきっかけにすぎません。

自分の中にわいた感情に突き動かされて行動し私たちは変わるのです。
ぜひみなさんも、興味がわくものがあったら迷わず飛び込んでみてほしいなと思います。

 

ボイストレーニングの課題は今も超山積みで苦しい日々です。自分自身に対しても、教えるという立場としても。

それでも私は今楽しいな、幸せだなと思えています。

誰でも幸せになりたいと思っているはずです。でも幸せの定義はありません。自分の中にのみあります。周りと比べることではなく、自分だけが持っているものさしで測ればいいんです。

私はボイストレーニングを通して自分の力で自分を変えるという小さな幸せを発見しました。

賞与やお金、記録、順位、SNSのフォロワー数などの数字では満たせない、もっと内なるものへ訴えるものがあるんだということをボイストレーニングは教えてくれました。

 

ボイストレーニングを続けていくからには、もちろん、スーパーボイス、スーパーシンガーになってやるぜ!という目標はあります。
ただそれよりも大切にしていることは、今日の自分が昨日の自分よりも0.000001%でも変化・成長できているかと感じられるかということです。

自分に自信を持ちたい、自分に◯をつけたい、自分自身を乗り越えていきたいのです。

 

今までの人生、習い事も部活も仕事も続かず、頑張ったと自分を認められるものなど何ひとつない私でしたが、
ボイストレーニングだけはちょっと頑張ってるかなと思えるもので、私の毎日を充実させてくれています。

そんな日々を一日一日積み重ねていったら、どこへ行けるんでしょうね?

ワクワクしませんか?

1ヶ月後、半年後、1年後、5年後、10年後、、、どんな景色に出会えるでしょうか?

 

私の他にも、ボイストレーニングを通してこんな風に感じてくださる方が一人でも多くいたら嬉しいなと願っています。

 

 

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フースラーメソッドを基盤とした、科学的根拠のあるボイストレーニングを行なっております。声を良くしたい方、歌声に悩みのある方、ボイトレ迷子の方、どなた様もお気軽にお越しください!!(※体験レッスン料は、「レッスンについて」をご覧ください。)