【ボイトレのヒント】リップロール正しく使えていますか？
こんにちは！
今日はボイストレーニングの方法のひとつとしてちょーちょーちょ〜有名な「リップロール」を取り上げてみたいと思います。
【 目次：リップロール正しく使えていますか？ 】
1. リップロールとは？
リップロールとは以下のようなものです。
唇をブルブルさせながら声を出すやつですね。
名前はもちろん、やったことがある方も多いのではないでしょうか。
そもそもリップロールをなんでやるか、一体どういう効果があるかご存知ですか？
良いって聞いたからと漠然とやっていませんか？
きちんと使えば効果的な方法になりますし、ちゃんとできていないと逆効果ということもありえます。
リップロールの効果は以下のようなことです。
- 声帯以外にもうひとつ息を受け止めてくれるもの（唇）があるので、声帯にかかる圧力が分散されて声帯が活動しやすくなる
→楽に発声できる、高音が出やすくなる - 唇が閉じたり開いたり細かい変動があるため、喉の中の圧力差が生じて声帯へのマッサージ効果がある
→ウォーミングアップに良い
同じ音の高さを、普通に発声するのと、リップロール付きで発声して体感を比べてみてください。
リップロールの方が体感が軽くないですか？（感じ方に個人差はあります）
なのでリップロールは上手くやると良い虚脱が生まれて高音の開発に役立ったりします。
2. 盲信はご注意ください
ここで注意事項です。
確かにリップロールは手っ取り早く声を起こすなどウォーミングアップには役立つと思いますが、
圧力の分散が起こる、体感が軽いということは逆に言えば声帯への負荷が下がっているということなので、
声帯の能力を成長させるというトレーニングの効果はないと思っておいてください。
間違ったやり方でやりすぎるとどんどん声が痩せていくことになりかねないです。
3. リップロールのやり方
先ほどのデモと同じです。
NGデモです。
大切なことは唇のブルブルが早過ぎない・細かすぎないということです。
NG音源のように、ブルブルさせることに集中しすぎて息だけで音が出ていなかったり、そもそもブルブルできなかったり、息を多くして無理矢理ブルブル言わせて息漏れも多いしブルブルの速度も速いなど、なっていたらリップロールの効果は得られていません。
多くの方がブルブルさせることに一生懸命になってしまいますが息を吐きすぎてまでやることではないです〜。
もう一度、リップロールをやる上で大事なのは、
ブルブルが早くないこと、高音になるにしたがってブルブルが細かくならないことです。
つまり息をたくさん吐かないでできないとNGということですね。
リップロールで地声から裏声、低音から高音へスムーズに移行できるかやってみてください。
音域に縛りはありませんので適当にいろんな音程を行き来してみてください。
気をつけることは、ブルブルの回転速度が一定であること、音量が大きくならないよう意識してみてください。
ブルブルが速くなっている場合息の量が増えていますので、息で音高をかせいでいるいるだけですので発声訓練としては意味がないです。
4. リップロールが苦手、できないという方
リップロールができないという方、ご安心ください。
私は必須項目だと思っていません。できなくても大丈夫です。
できるよう頑張る必要もないと思います。
声を開発していく方法は他にいくらでもあります。
私自身、自分の練習としてリップロールはほとんどやりません笑
生徒の皆様にはたま〜にやっていただくかもという程度です。
現在の自分の先生のレッスンでもやりましょうと言われたことは一度もありません。
5. ミックスボイスの練習になるの？
リップロールは声帯のコントロールがしやすい環境になっているので、上手くやれば地声と裏声が連結する感覚を得られると思います。
ただ、ミックスボイスを作り出す方法として使うのであれば、
声帯がきっちり閉鎖し音量がしっかり出ている状態でないとあまり訓練にはならないかなと思います。
地声と裏声がそもそもしっかり鍛わっている方には有効な方法だと思います。
（ひとつ前のブログで紹介した動画の稲葉さんと二井原さんのような声の状態であれば）
リップロールはミックスボイスの練習というよりは、
楽に高音出す、声帯を引き伸ばす、力みが減る、声の立ち上がりに役立つと言ったような補助輪的役割が大きいです。
良い虚脱感が生まれることもあるので裏声の開発（声帯を薄くする）に役立つこともあります。
なのでリップロールで地声っぽさのある高音（裏声）を狙っていくにはそもそもの地声と裏声の能力がかなり必要かなと思います。
多くの場合、これでミックスボイスを狙うと、裏声に毛が生えたくらいのサウンドしか生成されないのではないでしょうか。
声区の連結には役立つと思いますが、これでミックスボイスなるものが出来上がるとは私はあまり考えていません。
6. まとめ
とはいえ、上で述べたように良い効果はたくさんあるリップロールですので、
ブルブルが速くならない、息が増えない、音量が大きくならない、地声と裏声の堺をなくしていくことなどを意識して練習するのであれば良い方法だと思います。
最後にもう一度言いますが、
ボイトレとしての強度は低い発声練習になりますので、声帯の能力をあげるのにはあまり役立ちません。
今持っているものの状態が少し動きやすくなる、ちょっと調子が悪い時に元に戻る程度に考えていただければと思います。
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