私の考えるボイストレーニングとその難しさについて

みなさん、こんにちは!
新宿・千歳烏山のボイストレーニング教室Kayoko Voice LabのKayokoです。
最近よく、「ボイストレーニングって何なんだろうな~??」と考えることがあるので、
この気持ちを自分なりに書き起こしておこうと思いブログにしました。

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そもそも「ボイストレーニング」ってなんでやるんでしょう??

 

歌が上手くなりたいから?いい声になりたいから?

目的や理由は人それぞれ何だとしてもマルなんですが、

ボイトレって、ほんと難しいと思うんです Σ( ゚Д゚)

 

なんでって、
歌の上手い下手も、声の良し悪しも定義がなければ正解もないから。
あなたの好きなアーティストを隣の人は好きでなくても、それがなんだって話です。
上手い下手というより、好きか嫌いかという主観的感覚が存在するだけですよね。

つまり、上手い歌とかいい声を追求しても、ゴールなんて永遠にないわけです。
あるとすれば、自分が納得する地点に達するか、それか死ぬときしかゴールじゃないと思うんですね。
でもまぁ、100人に同じ歌をうたっていいね!って言われることがゴールだ、と決めたらゴールを設定することはできますが、うーん・・・ナンセンスですよね。
歌や声は常に感情とともにあるものだから、答えがないんです。

だからボイストレーニングに取り組んでいる方は私は本当にすごいなと思うのです。

 

例えば、“この曲を歌えるようになりたいです”、という方もいらっしゃいます。
一見これってゴールがあるように思うんですが、歌えるってどういう意味?ってことに私なんかなるわけです。
音程が合っていればいいてこと?一番高い音がでればいいてこと?リズム?感情?メッセージを届ける?
じゃあ高い音が出たら(音程が当たったら)どんな声でもいいの??
今人気のある歌手風に歌えたらマルなの??
もうね、ほんと突き詰めていくと病んでしまいそ、ぐるぐる闇の世界へようこそ~になりますよ(*_*;

もちろんレッスンではこんなウダウダ言いませんよ(笑)
みなさんがみなさんのイメージする理想の歌に近づけるようにがんばらせていただいておりマッスルᕦ(ò_óˇ)ᕤ
なので、こういうオタクゾーンは私みたいな変人トレーナーに任せて、皆さまはあまり考えず取り組んでくださいねw

 

もうひとつボイトレが難しい理由があります。

 

「声」って自分そのものだから。

 

どんな環境で育ち、どんな人に囲まれ、どんな性格で、どんなものを好きになってきたかの集大成が「声」として表れています。
みんなひとりひとり声は異なりますよね。
ひとりひとりの声帯の個体差以外に、この世に生まれてから今までの積み重ねで「声」はできあがっているのです。

だから、
「声」をトレーニングして「変える」=今までの自分を否定する、やり直す
みたいな感覚に近いと思うんです。(あくまで個人的意見です)

「あなたの声は変だ」「出し方が悪い」「もっと大きい声で話せ」とか「あなたの歌い方はクセが強い」なんて言われて嬉しいはずないですよね。
何でも学ぶということは自分の中に変化を起こすことなので大変な作業に決まっているのですが、
とりわけ「声」というものはここまで生きてきた自分そのものなので、なおさら修正していくには衝撃が強いと思います。
より良くなるために、前に進むために習い始めたのに、今までやってきたこと(過去)を振り返らなければならなかったりする場面は多いので、英語の単語を覚えるような増やす勉強とはまた違った困難さをボイストレーニングは持っていると思います。

 

ここまで読んで何かよくわかんないなーって感じる方も多いと思います。
なので、私が考える「ボイストレーニング」というものを定義させていただきます。

 

「赤ちゃんや動物のような喉頭の能力に戻ること」です。

 

つまり「喉の機能回復」「可能性の追求」です。
言葉を持たず、生きるために音色のみで意思を伝達しようとする赤ちゃんや動物たちの声というのは、とてつもなく多彩で多様性があり自由自在です。

突然ですが、この動画見てみてください。

https://youtu.be/FaH4Tno7IZ8

この男性はいろんな音を出しています。
これを好きか嫌いかは人それぞれ感じ方は自由ですが、とりあえず私はできないのですっげ~!(*’▽’*)と思います。

こんなにも喉からはいろんな音が作れるのです。
もちろん、こんなことができなくたって歌はうたえるし声は出せます。
なのでここまで追求する必要は全くありませんが、信じられないほどの可能性が私たちの喉には備わっているのだということを信じてほしいと思っています。

 

私は、「ボイストレーニング」というものを、私の師である武田梵声先生がおっしゃっているように、「ボイスカルチャー」であると捉えています。
つまり、「農耕作業」です。
土を耕し、種をまき、水を与え、肥料をやり、時には天災に見舞われながらも、一生懸命丁寧に育てまだかまだかとその実がなるのを静かに待つ。
これはどんなことにトライするときも普遍的な法則だと私は思います。

 

私がこのような姿勢で取り組んでいる「ボイトレ」とは、現在の一般的な認識の“ボイトレ”とは異なるかもしれません。
これまで多くの方が私の元にやってきては離れていきました。これからもきっとそうだと思います。
でもそれでよいと思っています。
私が感じる真実が、他の誰かにとっても真実だとは限りません。

 

この世はどんどん変わっていき、自動化、即席化が進んでいる現在です。
でも「声」は、私たちの身体というものは、機械や情報でどうにかなるものではないと思います。
お金で買えるものではありません。

 

先日自分の先生と話していて、あぁそうだな~と感じたのですが、
私はお医者さんのように、薬を処方して今の症状に対処するトレーナーではなく、
もっと根本的に、食事や生活習慣を変えることで自分の生命力を呼び覚ますというような意識のボイストレーニングトレーナーになりたいのです。
となると「ボイトレ」=「体質改善」みたいな捉え方になってきますので、「これまでの自分をガラリと変える」ということなので、
それはそれは難しいわいね、という話に戻るわけです(笑)

 

こんな長いブログを書いたのも、私自身は「声」や「声を育てる」ということをこんな風に捉えていると知っていただきたかっただけであり、この考え方を押し付けているわけではありません。
むしろこんなこと考えていると頭おかしくなりますからおすすめしません(;^ω^)

もしかしたら私がやっていることは、多くの方が望んでいることや時代の流れに逆行しているのかもしれません。
でもそれでいいんじゃないかなと思っています。
人それぞれ信じるものは多種多様であっていいいと思うのです。

ただ、ある特定の声や歌声を評価するようなトレーナーではいたくありません。
どの赤ちゃんもあんな小さな身体で、確実に私より素晴らしい喉の能力を発揮していることは火を見るより明らかなのです。
もともと持っていた喉の能力を取り戻しに行きましょう。
とりあえず、私はボイトレ変態だということをお伝えしておきます(*´▽`*)
んじゃ!!!!

 

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